2007年08月03日

鉄コン筋クリートなセファリック

金城一紀の「映画篇」を読むと無性に映画が見たくなったので、前々から見ようと思っていた「鉄コン筋クリート(以下略して鉄コン)」を借りて見ました。

「映画篇」の感想はまた今度ということで、ここでは「鉄コン」の感想を書きましょう。
「鉄コン」は松本大洋原作の漫画をアニメ化した映画で、内容はAmazonの紹介から引用すると、
松本大洋の同名漫画を『アニマトリックス』のマイケル・アリアス監督とスタジオ4℃が映画化。不穏な動きが見え始めたヤクザの街・宝町を根城にする“ネコ”と呼ばれるふたりの少年が、生き残りを賭けた反逆を開始する。二宮和也、蒼井優が声優に挑戦。

だそうです。
この紹介が適切かどうかは微妙なとことですが(特に「生き残りをかけた反逆を開始」のくだりとか)、まぁ自分でもうまくかけないのでこれでカンベンしてください。
まっ、ともかく舞台は古い時代の影を色濃く残す宝町、主人公はそこを根城とする二人の「ネコ」と呼ばれる第一級ぐ犯少年「シロ」と「クロ」、これだけを押さえとけば大丈夫でしょう。

小生はこの作品の原作が大好きで、原作の単行本(全3巻)を実家においてある他、去年の映画の公開を機に単行本3巻が一冊になった「鉄コン筋クリート All in One」なるものが発売されたときに、じゃあ下宿用にということで、それを買ってしまったというぐらいです。
というわけで、作品を見る際に原作との比較が大きなウェイトを占めるわけですが、その原作ファンの観点から見ても、この作品はなかなかよくできていたと思います。
原作の世界観に忠実に作られていたし、声優陣も悪くはありませんでした。
「シロ」のしゃべり方が、たまーに「ピンポン」で窪塚洋介がやったペコのしゃべり方にものすごく似てて笑ったりとか、「クロ」の声が少々迫力に欠ける気がしないでもない感じでしたが、まぁ悪くはないといった感じです。
あと、やくざの若頭である木村の声が軽い感じで、小生のイメージとは若干異なりました。
ただ、木村とその上司であるネズミの最後のシーンを観ると、二人の師弟関係が浮き彫りにされて、木村の声が軽い感じなのも悪くはないなと思いました。
それにしても、この木村とネズミのシーンは泣けます。
ネズミはなんていい男なんだ!

それはともかく、作品として原作の世界観を壊していないのは高評価です。
ただ、原作の世界観に忠実なだけなら別にアニメ化する必要はないわけで、その部分が小生の中では物足りませんでした。
作品を見る前は、シロとクロが宝町を跳びまわるシーンにかなり期待していたのですが、実際映像化されているのを観るとイマイチぐっと来ませんでした。
せっかくアニメにしたんだから、もっとシロとクロの躍動感を表現してくれてもよかったんではないかと小生は思うわけです。
チョコラが木村に呼び出されたシーンでは、クロがビルを登る描写があったりします。
原作ではいきなり高層ビルの窓の外にクロが現れるのですが、映画ではわざわざビルの外壁を登る描写があるのです。
いや、確かにある意味躍動的で現実的ですよ、でもネコは跳ぶんです!
そこは跳ばせろよなーと思うのです。
それが無理ならそんな地味な描写はいりません。
ただ、アニメーション化してよかったなと思うシーンもありました。
最後のイタチとクロの葛藤のシーンはなかなか迫力があってよかったです。まっ、若干長すぎる間は否めませんでしたけど。

あと気になったのは、原作を読んでいない人への配慮でしょうか。
原作に忠実なのはいいとして、じゃあ原作を読んでいない人があれを見て作品に入り込めるのかというと微妙な気がします。
確かに限られた時間でいろいろなことを表現するのは難しいと思いますが、クロの宝町に対する思い、シロに対する思いの説明がちょっと足りないかなという気がしました。
それをきちんと押さえていないと、展開が唐突で置いていかれてしまう人もいるのではないかなと思います。
とはいえ、原作自体が結構好みの分かれる作品のような気がするので、大丈夫な人は大丈夫、ダメな人はダメなのかもしれませんが。

とまぁ、書こうと思えばいくらでも書けそうですが、これくらいで置いておく事にします。
作品としては悪くないと思いますが、原作を読んでいる人にとっては若干退屈な作品になってしまうかもしれません。
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posted by Aorta at 14:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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