2006年07月29日

セファリックとクドリャフカの順番

4048736183クドリャフカの順番―「十文字」事件
米澤 穂信
角川書店 2005-07




内容(「BOOK」データベースより)
待望の文化祭が始まった。何事にも積極的に関わらず“省エネ”をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。十文字と名乗る犯人が盗んだものは、碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!千載一遇のチャンスを前に盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は「十文字」事件の謎に挑むはめに!米沢穂信が描く、さわやかでちょっぴりホロ苦い青春ミステリ。
※追記 「氷菓」「愚者のエンドロール」に続くシリーズものです。


文化祭っていいですね。
小生も数年前はがんばって文化祭の準備をしてたなぁ。
なつかしいです。

まだまだ暑い夏のうちから準備を始めるのに、のんびりしてたら秋が来て、トラブルなんかも発生して、気がつけば直前になって大パニック。
でも、なんだかんだありながらもやっぱり本番までには何とかできて、数日間のお祭り騒ぎ。
いやー、ほんとになつかしいです。
朝早くから学校に行って、夜遅くまで残って準備する。
夜になってテンションが上がってくると、普段は見られない友人の別の顔が見れたりして・・・。
まさに青春ですね。

そんな青春を見事に描いた作品です。
青春ミステリとありますが、ミステリを取っちゃって青春小説としても十分に楽しめる作品だと思います。
ミステリ部分もよく出来ているんですけど、小生はむしろ青春小説として読んでしまい、「十文字事件」の犯人は誰か?というよりは、ちゃんと文集は完売するのか?という方に興味の対象がありました。
小生、甘酸っぱい青春者には弱いのです。

他にも、才能の有無に対するやるせない思いや、自分の信条に対する譲れない思いなんかも所々に出てきて、青春もののほろ苦さを演出します。

今回の作品は前2作とは異なり、語り手が古典部のメンバー4人で場面場面で入れ替わります。
それによって今まではホータローを通してしか想像し得なかった他のメンバーの心情を垣間見ることが出来ます。
千反田えると伊原摩耶花の中身は大体想像通りでしたが、福部里志の中身はちょっと意外でしたね。
もっと能天気かと思っていたら、結構複雑だったのね。
うん、これも青春。

それにしても、米澤穂信はミステリを入れ物にして青春物を書くのがうまいですね。
ミステリを入れ物にするといえば乙一もそうですけど、道具としてミステリ的要素をうまく使うと話がしまりますね。
純粋な、入れ物も中身もミステリという作品もいいですけど、それだけではたまに物足りなくなります。
posted by Aorta at 18:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。