2006年07月21日

まほろ駅前多田便利軒セファリック

4163246703まほろ駅前多田便利軒
三浦 しをん
文藝春秋 2006-03




出版社 / 著者からの内容紹介
東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。多田と行天コンビの魅力満点の連作集!


4月の頭くらいから買おうかどうか悩んで結局見送ったこの作品ですが、直木賞受賞を機に買ってみました。

で、読んだ感想ですが、まぁ初めにサクッと言っときましょう。
これは直木賞をとるような作品ではないと思います。

小生、三浦しをんは結構好きですし、この作品も悪くなかった、というか面白かったのですが、直木賞とる作品ではありません。
他の候補作は「砂漠」しか読んでなくてこんなこと言うのも何なんですが、何でこの作品が直木賞なのか分かりません。
ほんとに、文藝春秋から刊行されてることぐらいしか受賞理由が思い浮かびませんよ。
明らかに「砂漠」の方が面白かったです。
まぁこれは小生の伊坂びいきからかもしれませんが。

それに、よく考えたら小生はあんまり直木賞の作品を読んでいないので、もしかしたら直木賞の選考委員の方々はこんな感じの作品がすきなのかもしれませんね。
選評を読んでみたいですね。

とまぁ、こんなに批判ばっかり書いてたら面白くないのかと思われてしまうかもしれませんが、作品の名誉のために書いておくと、面白いですよ。
ただ直木賞に値するほどの面白さかと言われるとちょっと怪しくなるだけです。

あらすじは、東京近郊のまほろ市の駅前で便利屋をやっている多田のところに高校の同級生の行天が転がり込んできて、バツイチ独身男二人で便利屋をやりまっせーみたいな話です。

ただ、このあらすじから感じられるほど軽い話ではありません。
そこは三浦しをんらしいというかなんと言うか、個々の短編もそして作品全体としての雰囲気も、落ち着いているというかしっとりしているというか、まぁとにかくカラッと軽い感じではないです。
作品全体としてのテーマも、家族だとか、魂の再生だとか結構重いですし。

まぁ、この辺のエンターテイメントでありながらも重いテーマ性があるというところが受けたのかもしれませんが。
でも直木賞って純粋にエンターテイメントとして面白いものに与えられるべきじゃない?と思うのは小生だけなんでしょうか。
芥川賞と対になっている意味はそうじゃないのかなぁ。

まっ、そんなことはいいです。

とにかくいろんな意味で三浦しをんらしい作品でした。
主人公がバツイチ独身男二人という時点でかなり三浦しをんテイストがむんむんしてますが。
そんな感じで、普通の読者には普通の読者なりの楽しみ方があり、コアな三浦しをんファンにはそれに加えて別の楽しみ方がある、そんな作品です。
小生は普通の読者ですが、コアなファンであればあるほどこの作品は受けるんじゃないかなと思います。
それが何を間違ったか直木賞を取ってしまうなんて。
うーん、不思議だ。
不思議だ不思議だ。
ラベル:読書
posted by Aorta at 00:53| Comment(3) | TrackBack(4) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ぱんどら日記」にトラックバックありがとうございます。

「直木賞をとる作品ではない」と、じつにサクッと書いていらっしゃいますね(笑)。とてもすがすがしい感じがします。

たしかにそうかもしれませんね。あちこちの読書ブログを拝見すると、「ちょっと直木賞には時期尚早」みたいな意見が多いし、私もそう思います。おもしろい作品なんだけど、なんかちょっと少女漫画が文字になったかのような印象も受けますね。

しかし直木賞のゆくえは決まってしまったし、今後の三浦しをんさんのご活躍を祈るばかりです。
Posted by ぱんどら at 2006年07月28日 10:26
こんにちは、コメントありがとうございます。

サクッとこき下ろしすぎて三浦しをんファンの方に怒られないかが心配でなりません(笑)。
作品の名誉のためにまた書いておくと、この作品は面白くないわけではない、というか積極的に面白いです。
ただ、直木賞に値する面白さなのか、出版社が文藝春秋じゃなかったら・・・、とかいろいろ考えてしまうのです。

三浦しをんさんはこれからが楽しみな作家さんだけに、伊坂幸太郎みたいにもうちょっと「おあずけ」をしてもいいんじゃないかという気もします。

また面白い作品とエッセーを書いてくれることを期待して待ちましょう。
Posted by aorta@管理人 at 2006年07月28日 13:56
TBさせていただきました。
もっと面白いかと思っていました・・・・。
いろんなところで話題になっていたので。
Posted by タウム at 2006年08月31日 23:13
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

妄想キャスティング――三浦しをん【まほろ駅前多田便利軒】
Excerpt: これはもう妄想読書人ぱんどらのためにあるような小説。脳内DVDぐるんぐるん。 なんでも請け負う「便利屋さん」の話。「便利軒」だからといってラーメン屋ではない。探偵とは違うので、ものすごい大事..
Weblog: ぱんどら日記
Tracked: 2006-07-27 12:39

まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん
Excerpt: 東京郊外のまほろ市を舞台にしたプチ「IWGP」に、BLテイストをまぶした第135回直木賞受賞作。近年は景気よくミステリを受け容れている直木賞、"萌え"にも寛容なところを見せたということでしょう。まほろ..
Weblog: 黒猫の隠れ処
Tracked: 2006-08-16 14:47

便利屋と居候  三浦しをん著「まほろ駅前多田便利軒」
Excerpt: 森絵都さんと一緒に直木賞を受賞した著者。 今日はその受賞作の感想です。 三浦しをん著 「まほろ駅前多田便利軒」 まほろ駅前多田便利軒三浦 しをん (2006/03)文藝春..
Weblog: 本読め 東雲(しののめ) 読書の日々
Tracked: 2006-08-31 23:14

「まほろ駅前多田便利軒」/三浦しをん
Excerpt:  まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん著(文藝春秋刊)    久しぶりに面白い本に出会った。 かみさんが買って来て少し読ませてもらって、面白くて先に読み終えてしまいました(笑) 実..
Weblog: 京の昼寝〜♪
Tracked: 2008-02-14 12:21
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。