2006年07月14日

失はれるセファリック

4044253064失はれる物語
乙一
角川書店 2006-06




内容(「BOOK」データベースより)
目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。


再読です。
初収録の「ボクの賢いパンツくん」と「ウソカノ」のために購入しました。

ちなみに、「マリアの指」以外の作品は角川スニーカー文庫でも出版されているので、言ってみればこの「失はれる物語」は乙一のベストアルバムみたいなものです。
ライトノベルっぽくてスニーカー文庫に手が出ない人のために、大人っぽい装丁で買いやすくしてみました的な意図で作られた作品です。
まぁ、微妙な意図ですが、乙一の裾野が広がるのはいいことだと思うので良しとしましょう。

買って損はないと断言していいほど、収録作品のクオリティは高いと思います。
特に小生が好きなのは「しあわせは子猫のかたち」と「手を握る泥棒の物語」ですね。
「しあわせは子猫のかたち」は同じく収録されている「Calling You」と並んで『切なさの達人』としての乙一の極致ともいえる作品だと思います。
間違ってグロい系の乙一を読んでしまってトラウマになった人はぜひ読んでみましょう。

「手を握る泥棒の物語」は主人公のドジっぷりと読後感がいいです。
これまたどんでん返しが乙一らしいナイスな作品です。

今回初収録の「僕の賢いパンツ君」と「ウソカノ」はどちらも乙一らしいとしか言いようのない話ですね。
前者はちょっとバカらしく、後者はちょっとイタい話ですが、ラストはちょっと切なさを誘います。

乙一の奇才には触れてみたいけど、グロいのはちょっと・・・という人にオススメです。
最後にもう1回。
買って損はないと小生は断言しましょう。
posted by Aorta at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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