2006年01月21日

扉は閉ざされたままのセファリック

今回の書評は・・・
石持浅海『扉は閉ざされたまま』

このミスステリーがすごいで『容疑者xの献身』に次ぐ2位になった作品です。
内容をひと言で説明すると、バトル小説ですね。
バトルと言っても頭脳戦の方ですが。

このミス1位だった『容疑者xの献身』と同じく、犯人側もそれを追い詰める側も恐ろしくキレる人間で、二人がめまぐるしい心理戦を繰り広げるという内容です。
トリックはもちろん『容疑者xの献身』の方が面白いですが、『扉は閉ざされたまま』は犯人役と探偵役が同じ場所にいて、しかも1夜のうちに決着をつけるので、緊迫感があり心理戦はこちらの方が面白いと思いました。

また、この作品の魅力は「倒叙」なのに「密室」ということです。
「倒叙」というのは、先に犯人がわかっていて、その犯行が探偵役によって暴かれていくというものです。
古畑任三郎をイメージしてもらえばわかりやすいと思います。
一方「密室」は言わずもがなですね。
「密室」の魅力は一般に、「誰が」「どうやって」を解き明かすことにあると思います。
しかし、この作品ではそのどちらも最初の章で明かされてしまいます。
確かに、探偵が「密室」の謎を解き明かす過程を楽しむという趣向もあるとは思いますが、この作品は確実にそうではありません。
密室のトリックは本当にちゃちなものです。
そこで、じゃあ何で密室なの?という疑問が浮かびます。
これは作者の事情を追って行ってたどり着くギモンなのですが、作中の犯人の事情を追って行っても同じギモンにたどり着くと思います。
このギモンがタイトルの2重の意味に関連するのです。
そこらへんに作者のうまさを感じます。

おっと、ミステリの書評なのに書きすぎました。
ネタバレしすぎだーとかお怒りをいただかないでしょうか。
たぶんクリティカルなことは何一つ書いていないと思うので大丈夫だとは思うのですが。
あっ、大事なことを書き忘れました。
「動機」のことなんですが、小生にはちょっと無理があると思います。
物議をかもした横山秀夫『半落ち』の方がまだ納得できたような。
皆さんはどう思うでしょうか?
ぜひ聞かせていただきたいです。

最後にひと言、おもしろいです。
古畑任三郎好きの人や少年漫画の『DEATH NOTE』好きな人は楽しめると思います。

今年読了した本:14冊

4396207972扉は閉ざされたまま
石持 浅海
祥伝社 2005-05




4062751941半落ち
横山 秀夫
講談社 2005-09




4088736214DEATH NOTE (1)
大場 つぐみ 小畑 健
集英社 2004-04-02



posted by Aorta at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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