2006年01月19日

白夜を行くセファリックその2

「白夜行」見終わって即の更新です。
気合はいりまくりです。

2回目見終わっての感想ですが、いよいよ原作との違和感が大きくなってきましたね。
別に違和感が大きいからダメだと言いたいわけではないです。
原作とまるっきり同じでは映像化する意味ほとんどありませんから。
ドラマの脚本・演出によって原作の魅力が削がれたり、原作にはなかった新たな魅力が出てくるのは当たり前です。
それを総合的にどう評価するかは見る人それぞれの感性が判断することで、絶対的にいいとか悪いとかはないわけです。
それを断った上で小生の意見を述べましょう。

今回のエピソードを見て、小生は、亮司も雪穂も「ふつう」であることに激しく違和感を覚えました。
前回のエピソードでは、かろうじて雪穂だけは自分の判断だけで母を殺す(と言うか無理心中)と言うことをやってのけ、並の人間ではないことの片鱗を見せていました。
一方亮司は一人で部屋の隅っこで震えているだけで何もしておらず、今後の展開として、雪穂が「強い女性」として亮司を引っ張っていく展開になるのかなぁと小生思っていました。
しかし、今回のエピソードでは、雪穂も数々の嫌がらせに対して受身に回るだけで、これといったヴィジョンも見えず、挙句の果てには亮司と再会したときに、大声を上げたり、泣いたりで感情的になって感情的なことをぶちまけるだけでした。
亮司については言わずもがなで、相変わらずヘタレです。
亮司の独白がナレーションではいる部分はすべて言い訳くさいです。
「こうするしかなかったんだ・・・」、「他にどうすることもできなかったんだ・・・」
小生、そんな弱音はもう聞きたくないと何度思ったことか。

こうして見ると、二人ともふつうの人間です。
たまたま罪を犯してしまって、どうしようかとおろおろするだけのふつうの人です。
実際はおろおろするだけではなく、それを隠すためにアクションは起こしているので並みの人間ではありませんが、それでも「ふつう」の範疇を超えるほどのものではないと思います。
そこには、原作にあった圧倒的な「すごさ」がありません。
原作の魅力を「壮大な叙事詩」であると評することが多いですが、ドラマと見比べてみると、そのことが本当によくわかります。
原作は「叙事」すなわち、主人公2人の心情はまったく描かれず、やったことだけが追いかけられるわけです。
心情が書かれていないと言うことはもちろん、自分がやったことに対する後悔や改悛の情は描かれていないわけで、そのことによって雪穂や亮司は、自分達が生き抜くために、むしろ雪穂が生き抜くためといった方がいいかもしれませんが、圧倒的な悪意を持ってさまざまな悪事を犯す人間と言う印象を抱かせます。
つまり、この二人はある意味、人間らしさを持たないモンスターのような感じを抱かせるのです。
そういう意味では、この二人は乙一の『GOTH』の主人公、「僕」と「森野夜」に似ています。
この辺りの感覚は『GOTH』の後書きや、乙一のエッセイ(?)『小生物語』の『GOTH』についての部分を読めばわかりやすいと思います。
とにかく、このような人間はフィクションの世界ではとても魅力的です。
現実の世界で実際に隣にいれば困ったことになるでしょう。
しかし、そのような存在であればあるほどフィクションでは魅力が増します。
それがフィクションの醍醐味のひとつでしょう。

ドラマでは、二人の心情が描かれ、しかも後悔や戸惑いといった心情がメインで描かれているので、二人の特異性みたいなものはほとんど感じられません。
小生が言う「ふつう」とはそういうことです。
また、二人とも少年・少女時代に大きな心の傷を受けるような体験をしているのに、案外真っ当に生きているような気がします。
心情を描くにしても、原作のようにもっと悪意を感じさせてもいいような気がするのは小生だけでしょうか?
また、今回のエピソードが高校時代のものになっていることも二人の特異性を減らす要素になっていると思います。
原作では中学時代のことなので、「中学生でこんなことを・・・」と言う感じを抱かせるのですが、高校時代に移すことで幾分マイルドになります。

ただ、人間のドラマ、純愛のドラマにするには、心情を描くことが絶対条件であることは間違いありません。
心情を描くことによって失う魅力を補って余りある魅力を作り出せるかどうかは、二人の人間的な魅力や二人の愛がいかに共感を得られるかにかかっていると思います。
今回、いいなと思う場面はいくつかあったものの、小生はまだまだ原作の方が面白いと思います。
次回以降に期待です。

参考までに・・・
1回目の感想「白夜を行くセファリック」

今回も長々と。
どうもすいません。
posted by Aorta at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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