2006年01月12日

白夜を行くセファリック

ドラマの白夜行を見ました。
小生、白夜行は刊行直後に図書館で借りて読み、その後、中学生だったにもかかわらずなけなしのお金でハードカバーを買ったほどの思い入れのある作品です。
そんな作品がドラマ化されると聞けば、これは観ないわけにはいけません。
ダヴィンチの今月号に作者の東野圭吾と主演の綾瀬はるかの対談が載っていて、結構東野圭吾が好意的だったのでそれなりには期待していたのですが、1回目を見てみて小生には違和感ばかりが残りました。
小生、もともと白夜行はドラマ向きの話ではないなと思っていたので批判的なスタンスで見たせいかも知れませんが。

具体的にどこが気に入らなかったかと言うと、
・冒頭のシーンがイメージとまったく違う
・亮司のキャラクター
・ミステリー的要素皆無
・舞台は大阪?
といった感じです。
まず、冒頭のシーンですが、原作のラストシーンを冒頭に持ってきた手法のいい悪いは置いといて、このときの亮司と雪穂の絡みが小生には違和感が大きかったです。
小生が原作から読み取った亮司・雪穂の性格からすれば、ここでは二人が視線を合わせるはずがないんです。
二人は究極的に接点を持たないように生きてきたはずで、その最後の仕上げと言うべき死別のときに誰が見ているかわからないところで長々とお互い見つめあったりするはずがありません。
実際、原作では亮司は何もしゃべることのないまま即死してしまうし、雪穂は「あんな人は知りません」と言って去っていきます。
昨今の純愛ブームでこのドラマも純愛路線で押そうとしているのか、最後の瞬間に未練たらしく愛情を示そうとしているのかも知れませんが、小生に言わせれば、そこは知らないフリをするほうが二人にとっての純愛ではないかと思います。
今までそうやって生きてきたわけですから、最後の瞬間にそれを覆すようなことをしてしまえば、それまでの人生を否定することになってしまうのではないかと小生は思うわけです。

まっ、冒頭のシーンはこれくらいにしておいて、次は亮司のキャラクターです。
まず、外見的に言うと、小生のイメージよりぽっちゃりしすぎです。
何か気が抜けてしまいます。
あと、性格も軽すぎです。
後々にすることから考えても、もっと暗いというか、クールという感じのほうがしっくり来ます。
さらに、雪穂との関係性も小生には違和感が大きかったです。
このドラマでは雪穂がほぼイニシアティブを握っているように描かれていて、亮司はほとんど何もしていないのですが、小生はイニシアティブは半々もしくは亮司の方がちょっと大きかったのではないかと思います。
これは特に理由があるわけではなく、ただなんとなくですが亮司はもっと強いし、できる子だと思います。
この関係性は『白夜行』の主人公2人というよりは『幻夜』の主人公2人の関係性です。(一応補足しておくと、『幻夜』も東野圭吾の作品で、雪穂によく似た女性が出てきます。)
これは亮司のことではなく、雪穂のことですが、雪穂が極端に美化されているような気がします。
雪穂をよく見せるために必要以上に雪穂のお母さんを悪く描いたり、雪穂がお母さんを殺す場面で自分も自殺しようとしたり。
特にお母さんを殺す場面が心中になっているのは小生がっかりです。
原作での「鈴」の名シーンが削られていて小生へこみました。

次、ミステリー要素皆無です。
最初から原作では重要なファクターだったものがぼんぼん出てきます。
笹塚刑事も1話目にして核心を突くことをぼんぼん言っています。
やはり純愛ブームに乗って純愛ドラマにしようとしているのでしょうか。
まぁ、キャストから言っても「セカチュー」の二人を持ってきていることからもそれは明白でしょうか。
これからミステリー要素がちゃんと出てくるのかは要チェックです。

最後に、舞台はどこだ?です。
原作では大阪です。皆さんこてこての関西弁をしゃべります。
ドラマでは関西弁をしゃべるのは武田鉄也演じる笹塚刑事と雪穂の義母だけです。
他の皆さんはきれいな標準語をしゃべっていました。
何て中途半端なんでしょう?
警察の皆さんも皆さん標準語だったところを見ると、舞台は東京なのでしょうか?
東京であるとすれば、武田鉄也が下手な関西弁をしゃべる必要はないわけで、謎は残ります。
もしかしたら、これがドラマ版白夜行のミステリー的要素かもしれません。

そんなこんなでボカスカジャンに言ってしまいましたが、面白くなかったわけではありません。
ただ小生には気に入らないことが多かっただけで、もとがいいのでもちろん面白いです。
皆さん、来週も見ましょう。
そして、小生は来週もどうでもいいことに噛み付いているでしょう。

4087474399白夜行
東野 圭吾
集英社 2002-05




4087746682幻夜
東野 圭吾
集英社 2004-01



posted by Aorta at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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