2006年08月19日

ララピポなセファリック

4344010515ララピポ
奥田 英朗
幻冬舎 2005-09




内容(「BOOK」データベースより)
対人恐怖症のフリーライター、杉山博(32歳)。NO!と言えないカラオケBOX店員、青柳光一(26歳)。AV・風俗専門のスカウトマン、栗野健治(23歳)。文芸コンプレックスの官能小説家、西郷寺敬次郎(52歳)。専業主婦にして一応AV女優、佐藤良枝(43歳)。デブ専裏DVD女優のテープリライター、玉木小百合(28歳)。選りすぐりの負け犬たち、ここに集合。最新爆笑小説。


面白かったですけど、ちょっと人前では読みにくい本でした。
どう読みにくいかは、小生が説明しなくても、この本を読んでみればすぐに分かると思うので敢えて書きません。

この話の主人公達たちは俗に言う「負け組」というジャンルに属する人たちです。
しかも、かなりたちの悪い負け組みに属していると思われます。
自ら進んでそこに至った人もいれば、望まずしてそこに至った人もいます。
そういう人でも、その人なりに底辺でがんばって生きてるんだよ、ということを書きたかった作品なのかなと思うのですが、小生はまったく主人公達に共感を抱くことが出来ませんでした。
なんと言うか、読んでいて、こいつら別世界の住人だなとしか思えませんでした。
小生は、自分がどんなに苦境に陥ってももっとマシに(あくまで小生のものさしにおいてですが)生きれると思います。
しかし、それも小生がぬるま湯の生活にどっぷりつかっている恵まれた状況にいるからそう考えられるだけなのかもしれません。
落ちるところまで落ちれば、自分もあんな感じの生活を送るようになるのかもしれません。
うーん、どうなんだろ。

そんな感じに、現実に起こりうることとしてシリアスに読むべきか、あくまで異世界の住人が繰り広げるドタバタ爆笑コメディでしかないと傍観者の立場として読むべきか、なかなか考えさせられる作品でした。

あと、作品の形式も面白かったです。
形式的には連作短編集なのですが、短編ごとに主人公が変わります。
1話目で脇役だった人が2話目で主人公になり、2話目で脇役だった人が3話目では主人公になり・・・、という感じで、短編ごとにつながって作品全体として大きなループを作る感じです。

この形式の面白いところは、脇役で登場する話では勝ち組として描かれていて主人公にうらやましがられていた人が、その人が主人公になった話を読んでみると実はうらやましがられるほどの生活を送っているわけではなく、むしろいろいろ苦労しているという風に描かれたりすることですね。
もちろんその逆もあって、ある話で究極的な負け組みみたいに描かれていた人が、実はしたたかに生きていたみたいなこともあって、かなり面白かったです。

これは日常にも当てはまることで、小生が、すごいなとかうらやましいなとかあんな風になりたいなとか思っている人も、その人の立場になってみればいろいろ大変なことがあるんだろうなぁと思ってしまいました。
逆は・・・、あるのかなぁ。
小生を見て、あんな風になれたらなと思っている人ももしかしたらいるかもしれませんが、やっぱり小生は小生でいろいろ大変なのです。
自分でもどうしようもなく嫌いな部分もありますし。

なんにしろ、外から見える部分なんて、その人のほんの一部でしかないということですね。
もっといろいろ見えたら面白いだろうなと思う一方で、見えないほうがいいこともいっぱいあるだろうなと思う小生でした。
タグ:読書
posted by Aorta at 13:15| Comment(1) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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