2006年08月14日

笑わない数学者と笑うセファリック

4062646145笑わない数学者―MATHEMATICAL GOODBYE
森 博嗣
講談社 1999-07




内容(「BOOK」データベースより)
偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。超絶の森ミステリィ第3弾。


ミステリと呼ばれるジャンルの作品を読む際に、大きく2つの読み方があると思います。
作品の中で提示される謎を自ら解こうとするか、それとも謎解きは探偵役に任せて、自分はひたすらメタ的な立場から事件を追い続けるかのいずれかです。

小生は断然後者です。
それにはいろいろ理由がありますが、一番大きな理由はめんどくさいことでしょうか。
ものぐさな小生は、謎について考える時間があったら迷わずページをめくってストーリーを追ってしまいます。

ただ、そんな小生でもたまには謎が解けてしまうことがあります。
今回のオリオン像消失の謎がそうでした。

そのときの状況と、事件があった屋敷の平面図を見ると考えるまでもなく答えが浮かびました。
これは小生だけでなく、ミステリをそれなりに読んでいる人なら結構多くの人が分かったのではないでしょうか。
オリオン像の謎が解けてしまうと、本文中で犀川が言っていたように、肝心の殺人事件の犯人も分かってしまう(これは小生のポリシーに反して読むのをちょっと中断して考えてしまいましたが)ので、今回は探偵役の犀川が謎解きをする前に犯人が分かりました。

という事で、今回は図らずも冒頭の2つの読み方のうち前者の読み方をしてしまったわけですが、この読み方では作品をミステリとしては楽しめても、小説としてはあまり楽しめませんでした。
理由は簡単。
小生でも解けたトリックを、数々の何事件を解決し、これからも解決していくであろう探偵さんがなかなか解けないのがいらいらするんですよ。
何でそんなことに気づかないんだっ。思いつきもしないなんてのは異常だろっ。とついツッコんでしまうのです。
確かに、小生はメタ的立場にいて探偵役たちを見下ろしているので有利な立場にいて、実際の目線で見てみれば分からないことも多いかもしれませんが、何でも解決してしまうはずの探偵がうすらぼけーっとしているのはやっぱりイラつきます。

幾分キャラ小説的要素もあるこの作品ですが、やっぱりメインはミステリ的要素だと思うので、その部分が弱いと小説としては減点です。
特に、小生のようなミステリを解くことにあまり意味を見出さない読者にとってはなおさらです。

とは言え、小生に解けた謎以外にもいろいろ謎はあったし、キャラ小説としても楽しく読めたので面白かったです。
それに、読後感はとってもよかったです。
地球の表面を、大きな輪が移動していく様子が頭に浮かびました。
内と外、とても興味深い題材です。
タグ:読書
posted by Aorta at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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