2006年07月31日

嘘猫とセファリック

4334737463嘘 猫
浅暮 三文
光文社 2004-09-10




内容(「BOOK」データベースより)
住み慣れた大阪を離れ、東京の広告代理店で働き始めたアサグレ青年。六畳一間の安下宿にある晩、転がり込んできた一匹の肥った猫は、翌日、五匹の子猫を産んで―。慣れない東京での生活に、生まれたての子猫まで抱え、アサグレ青年のてんやわんやの毎日が始まった…。懐かしくも愛おしい猫たちとの不思議な日々をリリカルに綴る、著者初の自伝的青春小説。


この作品、広告業界に入った青年が東京に出てきて・・・という点で、奥田英朗の「東京物語」とよく似ています。
青春時代を描いた自伝的小説であることも同じですし、全体から受ける印象はとてもよく似ています。
ただ違うのは、「東京物語」が主に「女性(との恋)」を通して青春時代を描くのに対して、「嘘猫」はタイトルから分かるように「猫」を通して描くのです。

「女性」と「猫」を比べると、やっぱり「猫」の方が部が悪そうです。
猫には色気がありませんし。
でも、「嘘猫」はふと転がり込んできた猫との生活を綴っただけのお話なのに、しみじみといい話でした。
猫とアサグレ青年の心温まる交流と、やがて来る別れがとても印象的で、単に自伝的青春小説と言ってしまうのはもったいない作品です。
確かに猫との生活を通してアサグレ青年の青春(?)が描かれていますが、猫の存在感はそれだけにとどまらず、猫の物語として読んでもすごく感動的です。

しみじみとした情感をうまく表現できる監督さんが映画化したら、とってもいい映画になるのではないかと思います。
ミニシアターでひっそり上映されて、あんまりたくさんの人はみないけど、見終わった人の顔がちょっと幸せになっている様子がなんとなく目に浮かびます。
ラベル:読書
posted by Aorta at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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