2006年07月31日

嘘猫とセファリック

4334737463嘘 猫
浅暮 三文
光文社 2004-09-10




内容(「BOOK」データベースより)
住み慣れた大阪を離れ、東京の広告代理店で働き始めたアサグレ青年。六畳一間の安下宿にある晩、転がり込んできた一匹の肥った猫は、翌日、五匹の子猫を産んで―。慣れない東京での生活に、生まれたての子猫まで抱え、アサグレ青年のてんやわんやの毎日が始まった…。懐かしくも愛おしい猫たちとの不思議な日々をリリカルに綴る、著者初の自伝的青春小説。


この作品、広告業界に入った青年が東京に出てきて・・・という点で、奥田英朗の「東京物語」とよく似ています。
青春時代を描いた自伝的小説であることも同じですし、全体から受ける印象はとてもよく似ています。
ただ違うのは、「東京物語」が主に「女性(との恋)」を通して青春時代を描くのに対して、「嘘猫」はタイトルから分かるように「猫」を通して描くのです。

「女性」と「猫」を比べると、やっぱり「猫」の方が部が悪そうです。
猫には色気がありませんし。
でも、「嘘猫」はふと転がり込んできた猫との生活を綴っただけのお話なのに、しみじみといい話でした。
猫とアサグレ青年の心温まる交流と、やがて来る別れがとても印象的で、単に自伝的青春小説と言ってしまうのはもったいない作品です。
確かに猫との生活を通してアサグレ青年の青春(?)が描かれていますが、猫の存在感はそれだけにとどまらず、猫の物語として読んでもすごく感動的です。

しみじみとした情感をうまく表現できる監督さんが映画化したら、とってもいい映画になるのではないかと思います。
ミニシアターでひっそり上映されて、あんまりたくさんの人はみないけど、見終わった人の顔がちょっと幸せになっている様子がなんとなく目に浮かびます。
ラベル:読書
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2006年07月30日

1-0のセファリック(大宮−京都)

7月29日(土) 2006 J1リーグ戦 第16節
大宮 1 - 0 京都 (18:04/熊谷陸/7,278人)
得点者:'46 トニーニョ(大宮)

ん、また負けましたね。
後半開始直後にセットプレーから失点。

また相手の監督に言われてましたね。
「決定的なシュートチャンスは同じくらいか、京都に多かったかもしれません」とかなんとか。

うちの監督もまた言ってましたね。
「今日も十分勝ちにもってこれるゲームを90分できたと思う。でも勝負を決めるところは厳しくやらないと、いくらいい内容のゲームをやっても勝ちはもってこれないんじゃないかと思います」とかなんとか。

これだけおんなじことを言って言われて、第3者からも「いいサッカーをしている」とか「下位に低迷するチームじゃない」とか言われて、それでも勝てずに下位に低迷しているのは何でなんでしょうか。

中断期間に選手の補強はしました。

あと出来ることは・・・。

そろそろ限界が近づいているんじゃないでしょうか。

そろそろ別の道を探すという方針に舵を切ってもいいんじゃないでしょうか。

後戻りできなくなる前に。

ジーコと心中した代表みたいになるのはまっぴらごめんです。
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太陽の塔とセファリック

内容(「BOOK」データベースより)
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。


日本ファンタジー大賞受賞ですか・・・。
この作品のどこがファンタジーなの?というツッコミを入れたくなりますが、妄想をファンタジーと呼んでいいなら大賞に値する作品なのでしょう。

主人公は絶望的にもてない男で、せっかく出来た恋人にもクリスマスに太陽電池で動く招き猫を贈るという暴挙によって愛想を尽かされます。
この主人公のすごいところはここからで、彼女に振られた後に、その彼女を研究するとかいう名目でストーキングを繰り返し、研究レポートと銘打って何百ページにもわたる観察記録をまとめます。
そんな主人公にはお構いなく、今年もまたクリスマスは巡って来て・・・、とまぁこんな感じのお話です。

まぁ、この話を面白いと感じるかどうかは、この主人公の性格を受け入れられるかどうかにかかっているでしょう。
この主人公、ただ粘着質なだけでなく、自分の常軌を逸した行動を頭でっかちな理論で正当化します。
この言い訳がイタイのなんの。
この部分の常識とのずれみたいなものがこの作品の面白いところなのですが、ここをわざとらしいと感じて冷めながら読んでしまうとこの作品の面白さは半減というか、全滅ですね。

主人公のむかつくほどのイタイ言い訳を笑ってあげられる人はぜひ読んでみましょう。
ラベル:読書
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2006年07月29日

セファリックとクドリャフカの順番

4048736183クドリャフカの順番―「十文字」事件
米澤 穂信
角川書店 2005-07




内容(「BOOK」データベースより)
待望の文化祭が始まった。何事にも積極的に関わらず“省エネ”をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。十文字と名乗る犯人が盗んだものは、碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!千載一遇のチャンスを前に盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は「十文字」事件の謎に挑むはめに!米沢穂信が描く、さわやかでちょっぴりホロ苦い青春ミステリ。
※追記 「氷菓」「愚者のエンドロール」に続くシリーズものです。


文化祭っていいですね。
小生も数年前はがんばって文化祭の準備をしてたなぁ。
なつかしいです。

まだまだ暑い夏のうちから準備を始めるのに、のんびりしてたら秋が来て、トラブルなんかも発生して、気がつけば直前になって大パニック。
でも、なんだかんだありながらもやっぱり本番までには何とかできて、数日間のお祭り騒ぎ。
いやー、ほんとになつかしいです。
朝早くから学校に行って、夜遅くまで残って準備する。
夜になってテンションが上がってくると、普段は見られない友人の別の顔が見れたりして・・・。
まさに青春ですね。

そんな青春を見事に描いた作品です。
青春ミステリとありますが、ミステリを取っちゃって青春小説としても十分に楽しめる作品だと思います。
ミステリ部分もよく出来ているんですけど、小生はむしろ青春小説として読んでしまい、「十文字事件」の犯人は誰か?というよりは、ちゃんと文集は完売するのか?という方に興味の対象がありました。
小生、甘酸っぱい青春者には弱いのです。

他にも、才能の有無に対するやるせない思いや、自分の信条に対する譲れない思いなんかも所々に出てきて、青春もののほろ苦さを演出します。

今回の作品は前2作とは異なり、語り手が古典部のメンバー4人で場面場面で入れ替わります。
それによって今まではホータローを通してしか想像し得なかった他のメンバーの心情を垣間見ることが出来ます。
千反田えると伊原摩耶花の中身は大体想像通りでしたが、福部里志の中身はちょっと意外でしたね。
もっと能天気かと思っていたら、結構複雑だったのね。
うん、これも青春。

それにしても、米澤穂信はミステリを入れ物にして青春物を書くのがうまいですね。
ミステリを入れ物にするといえば乙一もそうですけど、道具としてミステリ的要素をうまく使うと話がしまりますね。
純粋な、入れ物も中身もミステリという作品もいいですけど、それだけではたまに物足りなくなります。
posted by Aorta at 18:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月28日

すべてがセファリックになる

4062639246すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER
森 博嗣
講談社 1998-12




おなじみの内容紹介は諸事情により割愛。
詳しくは本分参照のこと。


あらすじっていうのはどうにかならないもんなんですかねぇ。

小生、人に誇れるほどではないですが、ミステリと呼ばれるジャンルの本をそれなりに読んできました。
数をそれなりにこなせばやっぱりパターンと言うのは見えてくるもので、その謎の仕掛けられた「論理」などは分からなくても、「結果」だけは見えることがたまにあるんですよ。
今回もそのパターンでした。

本文を読みながら途中で気づく、というのならまだマシなんですが、今回は背表紙のあらすじだけで、途中の論理はすっ飛ばしてトリックと犯人が分かってしまいました。
トリックと犯人が分かってしまえば途中の論理も大体想像できるわけで、これはほんとに興ざめです。
小生は、ミステリを読むときは自分も謎を解決しながら読むのではなく、騙されながら読むのが楽しみなので、途中で分かってしまうのはあんまりうれしくないのです。

しかも、この作品の探偵役である主人公の性格が、「行為」のみに興味があって動機や背景にはあまり気を払わないというものだったので、作中で重要視されている部分は大体読む前に分かってしまうと言う何とも悲惨な感じの読書でした。

本を選ぶという過程で、やっぱりあらすじはなくてはならないものだと思うので、あらすじを無くせとはいえないんですが、やっぱりミステリのあらすじはちょっと気をつけて書いて欲しいなと思いました。

まぁ、あらすじについてのグチはこれくらいにしておいて、肝心の内容についての感想を書きましょう。

すったもんだはありましたが、面白かったです。
小生、何を読んだかは忘れたのですが、昔に森博嗣の作品を1作品だけ読んで、何かよくわからないことを書く作家だなぁと思ってそれ以来読んだことなかったのですが、少し後悔しました。
理系の作家さんらしく、「文章に」と言うよりは「セリフに」そして「トリックに」その信条とか哲学が表現されていて面白く読めました。

登場人物とか、舞台設定とかを読むと、「あぁ、これが西尾維新の原点なんだな」と言うことがよくわかります。
「孤島」、「天才」、「奇人」・・・いろいろなキーワードがあげられます。
ただ、森博嗣と西尾維新で違うのは、天才や奇人の集団に大学の助教授と言う同類項を放り込んだ森博嗣に対して、西尾維新はまったく異次元の存在である「戯言使い」を放り込んだことですね。
この「全てがFになる」を読むと、天才とか奇人の集団の中に敢えて「戯言使い」を放り込んだ西尾維新という作家はすごいと言うのがよくわかります。
作品としての完成度は圧倒的に「すべてがFになる」の方が高いと思いますけどね。

あらすじのせいで悲惨な読書になってしまった本書ですが、いい作品であったとはおもいます。
もっと森博嗣を読んでみようと思いました。
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2006年07月27日

1-2のセファリック(京都サンガ−ジェフ千葉)

いやー、暑いなか西京極に久しぶりに行ってきましたよ。
セファと京都サンガ−ジェフ千葉を観に行ってきたのです。

普段は京都サンガを応援している小生ですが、基本的にファン歴はジェフのほうが長いのです。
という事で、どっちを応援するか中途半端なままSバック席で観戦。

前の方に座ってしまったので、周りはガチガチのサンガファンばっかり。
ここでジェフも応援していることがばれたらタコ殴りの刑に処せられるなと思ったので、小生とセファはバリバリのサンガファンに化けます。
小生はサンガの応援歌をバッチリ歌えるので、要所要所でそれを口ずさみつつ、周りの人に合わせて騒ぎます。
セファにも「ここで喜ぶのだ」とか「ここで叫び声をあげるのだ」とか「ここで審判に帰れ!と叫ぶのだ」とかいろいろ有益な助言をし、ボロを出さないように教育します。
ところが、小生の中のジェフを応援する血も黙ってはおらず、ジェフの選手がパスミスで無駄にボールをタッチラインから出しそうになると「やばいやばい」とか叫んでしまいます。
周りを見てもそんな意味不明な叫びを上げているのは小生だけ。
みんな喜んでいます。
そこでハッと我に帰った小生、「やばいのは小生じゃないか」と青くなります。
そんなぼろを出しながらの二股応援でしたが、周りの人にばれることもなく、五体満足なまま西京極から帰ってこられました。
よかったよかった。

では、肝心の内容についての感想を書きましょう。

結果だけ見ると、小生の予想通りになりました。
小生は、サンガが星のJ1初ゴールで1−0でリードして迎えたハーフタイムに、セファに「後半は1−1になるか、たぶんジェフが逆転して1−2になるよ」と予言していたのです。
まぁ、特にこの予言には根拠がなかったのですが、暑かったですし強行スケジュールなので、後半はサンガが運動量が落ちてジェフにやられちゃうかなと思ったのです。

結果的にはそうなったのですが、内容的にはサンガが勝っていてもおかしくない試合でした。
特に後半開始後しばらくの間のサンガが押していた時間帯で追加点が取れていれば確実にサンガは勝ち点3を手に出来ていたのではないかと思います。
パウリーニョははずしすぎ。
立石は止めすぎ。
どちらもかなりのクオリティでした。
はっきり言って、今日の試合のハイライトはパウリーニョがはずしまくって立石がとめまくったあの場面に尽きます。
まっ、ニュースなんかではどうせゴールシーンしか出ないでしょうけど。

サンガは決めるべき場面で決められずに流れを引き寄せられず、巻に同点ゴールを決められます。
一方のジェフも、同点ゴールの後にチャンスをいくつか作るも決めきれず、流れを完全に引き寄せ切れません。
そんなこんなで中盤でのつぶしあいになって試合は膠着状態に。
このまま引き分けかなと思ったロスタイムにまたまた巻が今度はヘディングで決めてジェフが逆転勝利。
このシュートは後でニュースで見直してみると、めちゃくちゃうまいシュートで撃った巻をほめるべきだと思うのですが、敢えて言わせてもらうと、その直前に斉藤が足をつってプレーが止まったのがサンガにとって痛かったと思います。
あそこまでサンガはギリギリのバランスを保って守備をしていたのですが、斉藤の負傷でプレーがいったん止まってしまったために緊張の糸が緩んで、そのバランスが崩れてしまって失点してしまいました。
柱谷流に言うと、アラートが足りなかったという感じでしょうか。

全体的にはこんな感じ。
選手個人については、サンガではやっぱり斉藤、ジェフでは誰でしょうねぇ、みんな言い感じに目立っていたと思います。
サンガの試合をはじめて見たセファも、斉藤のプレーは印象に残ったみたいです。
星はJ1初ゴールおめでとう。
ただ、クロスの精度とドリブルの突破力はもうちょっと上げようね。
新外国人のアンドレとピニェイロはどっちも結構いい感じでしたね。
特にアンドレは出来る助っ人の雰囲気満々でした。
ピニェイロは思ったほどドリブルがキレキレではなかったです。
その分、ボールを持ってないときのスペースへの走りとか、クロスの精度はよかったです。
期待が持てそうでした。
パウリーニョは・・・、ほんとに決定力を磨いてください。
チャンスを作ってもゴールネットを揺らせなかったら意味ないですね。

ジェフのサッカーはやっぱりおもしろかったです。
サイド→中→サイドとボールと人がめまぐるしく動いて、とてもエキサイティングでした。
ただ、その魅力的なフットボールとサンガは互角に渡りあえていたことも事実です。
負けはしたものの、いい内容だったのではなかったかと思います。
少なくとも小生は今日観に行ってよかったなと思いました。

あとは結果がついてくればね・・・。
ジェフも応援していた小生はよくても、集まった1万3千人のうちの大部分のお客さんは内容だけでは満足してくれないでしょう。
小生も、相手がジェフでなければサンガに勝ってもらわないと後味悪いです。
来年もJ1の試合を見たいですしね。
posted by Aorta at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月26日

平面いぬなセファリック

4087475905平面いぬ。
乙一
集英社 2003-06




内容(「BOOK」データベースより)
「わたしは腕に犬を飼っている―」ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。「ポッキー」と名づけたその刺青がある日突然、動き出し…。肌に棲む犬と少女の不思議な共同生活を描く表題作ほか、その目を見た者を、石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る怪異譚「石ノ目」など、天才・乙一のファンタジー・ホラー四編を収録する傑作短編集。


なぜかめぐり合わせが悪く、乙一でもこの作品は読んでいませんでした。
読もうと思ったときになぜか本屋になかったんですよね。
他の乙一の集英社の作品が平台にうずたかく積まれているのに、なぜか平面いぬ。は棚にも一冊もないということがよくありました。
あと、乙一の作品で読んでいないといえば「暗黒童話」
これは巡り会わせというよりは内容の問題ですね。
なーんとなく手が伸びにくい内容なので読んでません。

で、やっと読めた「平面いぬ。」ですが、乙一の第一の転機と言える作品ですね。
ちなみに第2の転機は「GOTH」だと思います。

内容紹介では、ファンタジー・ホラー4編とありますが、この作品はホラー色は「石の目」にちょっとあるだけで、むしろその後の作品によく見られる「せつなさ」的な要素が大きかったですね。

「石の目」はホラーとミステリ的手法を使ってうまくまとめていて、まさに前期(平面いぬ。まで)乙一と中期(「GOTH」まで)乙一の橋渡し的作品です。
「はじめ」は乙一らしい作品。
今の乙一だったらもうちょっとうまくかけるんじゃないかなと思う部分もありましたが、透明感があっていい作品です。
読後感はいちばんいいんじゃないかなと思います。
「BLUE」は乙一にしてはちょっと珍しい作品です。
不思議な布で作られた5体の動く人形の話で、そのうち余りの布で作られた出来損ないの「BLUE」という人形が主人公です。
買われていった家で他の人形がとても大切にされる中で、BLUEだけは出来損ないなので、大切にされず・・・、というお話です。
周りとうまくやっていけない主人公は乙一の作品によく出てきます。
「Calling You」だとか「しあわせは子猫のかたち」だとか「暗いところで待ち合わせ」の主人公がその典型です。
ただ、この作品のBLUEは同じような境遇にいながらそれらの主人公とは根本的に違います。
BLUEは究極的にポジティブなのです。
そのポジティブさによって傷つくこともありながらそれでもBLUEはポジティブです。
いつもの乙一の主人公は傷つくことを恐れて究極的にネガティブになっているんですが、真反対です。
あまり書きすぎるとネタバレになってしまうのでこれくらいでやめておきますが、いつもの乙一の作品をいろんな意味で逆から眺めた作品だといえる点で、珍しい作品です。
「平面いぬ。」は随所に乙一のユーモアのセンスが散りばめられていておもしろかったです。
ストーリー運びはさほど目新しいわけではありませんが、特殊な道具を使って主人公の心情を描き出して読む人の心を揺さぶる作品でした。
やっぱりこれも乙一らしいと形容するしかないのかなという感じです。

全体的に見ても、やっぱり乙一らしい作品集でした。
それにしても「乙一らしい」ってのは便利な言葉です。
読んでるほうはさっぱり分からないかもしれませんが、書いてるほうにとってはこれほどしっくりくる言葉もなかなかありません。
ラベル:読書
posted by Aorta at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

帰ってきたセファリック

ふー、祖父母の家から無事帰還しました。

無事帰還というのも大袈裟な表現だと思われそうですが、いきなりギンギンに冷えた大玉のスイカ半分くらい食べさせられてお腹がグルグル魔人になりかけたり、胃が破裂しそうなほどご飯を食べさせられたり、自家栽培のゴーヤのあまりの苦さにもだえたり、歯が1本しか残っていないじーちゃんが必死にとうもろこしにかじりついているのを見て笑い死にしそうになったり、その表現が適当だと思えるほど波乱万丈な数日間でした。

ただ、当初の目的どおり本は結構たくさん読めたので良かったです。
またのんびり感想でも書きたいと思います。

それにしても、やっぱり田舎はいいですね。
のんびりしていて心が洗われます。
今年初のセミの鳴き声を聞いたような気がしました。
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2006年07月23日

ご飯を求めてセファリック

せっかくの夏休みなので、小生旅に出ることにしました。
自分探しという名の旅路です。

ウソです。
いまさら自分探しなどしてどうしましょう。

ただ単に、しばらくご無沙汰している祖父母の家にご飯を求めて行くだけです。

下宿にいたらいろいろな雑事に追われてゆっくり読書が出来ないので、静かで環境のいいところに行って、10冊以上たまった未読の本を少しでも減らしちゃおう、という何とも怠惰な計画なのです。

夏休みだから怠惰でもいいのです。
もともと怠惰な小生、春学期のうちはちょっとがんばりすぎました。
夏休みくらい怠惰に過ごしても文句はたぶん言われないでしょう。
うん、たぶん大丈夫なはず。

という事で、ほんの数日ですがブログの更新がストップします。
まぁ、いないと思いますけど、更新を楽しみにしている奇特な人がいたら、しばし待たれよ。
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2006年07月22日

セファリックは踊る暗い腹の中踊る

4061824880少女は踊る暗い腹の中踊る
岡崎 隼人
講談社 2006-06-07




内容(「BOOK」データベースより)
連続乳児誘拐事件に震撼する岡山市内で、コインランドリー管理の仕事をしながら、無為な日々を消化する北原結平・19歳。自らが犯した過去の“罪”に囚われ続け、後悔に塗れていた。だが、深夜のコンビニで出会ったセーラー服の少女・蒼以によって、孤独な日常が一変する。正体不明のシリアルキラー“ウサガワ”の出現。過去の出来事のフラッシュバック。暴走する感情。溢れ出す抑圧。一連の事件の奥に潜む更なる闇。結平も蒼以もあなたも、もう後戻りはできない!!第34回メフィスト賞受賞!子供たちのダークサイドを抉る青春ノワールの進化型デビュー。


第34回のメフィスト賞受賞作です。

小生、あんまりメフィスト賞の作品は読んでないんですけど、ジュンク堂の宣伝コピーで、この作者を「乙一×エルロイ÷夢野久作=岡崎隼人」みたいな感じで形容していて、乙一の部分にキョーレツに惹かれてちょっと興味が出たので読んでみました。

で、読んでみると、ぜんぜん乙一じゃない。
まぁー、そこはかとなく感じられなくもないけどこれはぜんぜん乙一じゃない。
むしろ舞城だ。
これは間違いなく舞城王太郎だ。
誰が読んでも、百人が百人、この作品から舞城を感じ取るに違いない。
というぐらい舞城でした。

ジュンク堂のコピーに出てきた3人の作家は、作中で主人公が少女に買ってあげる本の作者なだけ。
ジュンク堂はもっとマシな式を考えろ!ってな感じでした。

作品自体は悪くなかったですよ。
舞城王太郎は小生すきですし。
ただ、この作品が好きかどうか問われると首を傾げざるをえませんが。
まぁ、なんと言うか、まだ幼い子どものいるお父さんとかお母さんとか、ほんとにいるのかは知りませんけど、世界は明るいものだとまだ信じきっている純粋なお子様なんかにはとてもじゃないけど読ませられません。
オビに「青春ノワール」と書いているだけあって、黒く、そして暗いです。

そこが岡崎隼人と舞城王太郎の大きな違いです。

舞台が地方であること。
会話分にそこの方言が多用されていること。
かなりバイオレンスなところ。
この2人の作家の共通点を挙げていけばかなりの要素を挙げられます。

ただ、決定的に違うのは舞城の文体が狂いに狂っているのに対して、岡崎の文体は理性的に狂っているところです。
舞城の文章は狂いに狂っているがゆえに圧倒的なグルーヴ感というか、疾走感があります。
だから、いかに激烈なバイオレンスがあっても、何か突き抜けているというか、極端に表現すると「青空」が感じられます。
一方で、岡崎は狂っているけど舞城のようなグルーヴ感はない。
あるのは冷静なまでの陰惨さです。
そこに見えるのは「どんよりとした曇り空」、もしくは「まったくの闇夜」といった方がいいでしょうか。
舞城が昼なのに対して、岡崎は「夜」です。
舞城は勢いに任せてバイオレンスですが、岡崎は落ち着いてバイオレンスです。

だからなのかもしれませんが、この作品はストーリーは結構しっかりしています。
ミステリとしても悪くない出来です。
舞城の「煙か土か食い物か」みたいに無茶苦茶ではありません。

この作品の帯にあったコピーの「青春ノワール」のうち、ノワールはいいんですが、青春があんまりグッとこなかったのが残念でした。
なくしたものを取り戻したい気持ちは分かるけど、小生にはちょっと感情移入は出来ず、「青春」の部分ではこの作品はあんまり評価できませんでした。

この作品はどうしても舞城と比べてしまうので、本当のオリジナルと呼べるような作品を読んでみたくなる作家でした。

それにしても、この作品を久しぶりに晴れた土曜日の朝から読んでしまったのはやっぱりミスだったかなぁ。
ラベル:読書
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オシムが就任セファリック

とうとうイビチャ・オシムさんが日本代表監督に就任することが正式に発表されましたね。

日本全体のサッカーを考えると、そしてオシムさん個人の1ファンとしては喜ぶべきなんでしょうが、微妙にジェフのファンをかじっている小生としてはやっぱり複雑です。

まっ、なんにしろ就任したからにはがんばってもらいましょう。
日本代表を応援する声にもいっそう力が入るというものです。

それにしても、最近の日本代表候補を狙う選手達のオシム監督を意識したコメントは面白いですね。
どこを見ても走る、走る、走る。
アピールしたいのは分かるんですけど・・・、ちょっとイタ過ぎますね。

あと、ジェフの選手のコメントも最近面白いです。
イビチャ・オシムさんの跡を継いで息子のアマル・オシムさんが監督になったわけですが、その二人のオシムさんをどう呼び分けるかが難しそうです。
誰かがインタビューで前監督を「オシムさん」、現監督を「アマルさん」と呼んでいて、どっちもオシムやん!と小生思わずツッコんでしまいました。
親子だと呼びわけもなかなか大変ですね。

来週の水曜に西京極でサンガ−ジェフ戦があるけど、観に行こうかどうしようか迷い中です。
イビチャさんいなくなっちゃったしなぁ。
でもジェフはジェフだし。
久しぶりにサンガの選手も見たいし。
まぁ、天気なんかと相談しながら決めよう。
ラベル:サッカー
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2006年07月21日

まほろ駅前多田便利軒セファリック

4163246703まほろ駅前多田便利軒
三浦 しをん
文藝春秋 2006-03




出版社 / 著者からの内容紹介
東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。多田と行天コンビの魅力満点の連作集!


4月の頭くらいから買おうかどうか悩んで結局見送ったこの作品ですが、直木賞受賞を機に買ってみました。

で、読んだ感想ですが、まぁ初めにサクッと言っときましょう。
これは直木賞をとるような作品ではないと思います。

小生、三浦しをんは結構好きですし、この作品も悪くなかった、というか面白かったのですが、直木賞とる作品ではありません。
他の候補作は「砂漠」しか読んでなくてこんなこと言うのも何なんですが、何でこの作品が直木賞なのか分かりません。
ほんとに、文藝春秋から刊行されてることぐらいしか受賞理由が思い浮かびませんよ。
明らかに「砂漠」の方が面白かったです。
まぁこれは小生の伊坂びいきからかもしれませんが。

それに、よく考えたら小生はあんまり直木賞の作品を読んでいないので、もしかしたら直木賞の選考委員の方々はこんな感じの作品がすきなのかもしれませんね。
選評を読んでみたいですね。

とまぁ、こんなに批判ばっかり書いてたら面白くないのかと思われてしまうかもしれませんが、作品の名誉のために書いておくと、面白いですよ。
ただ直木賞に値するほどの面白さかと言われるとちょっと怪しくなるだけです。

あらすじは、東京近郊のまほろ市の駅前で便利屋をやっている多田のところに高校の同級生の行天が転がり込んできて、バツイチ独身男二人で便利屋をやりまっせーみたいな話です。

ただ、このあらすじから感じられるほど軽い話ではありません。
そこは三浦しをんらしいというかなんと言うか、個々の短編もそして作品全体としての雰囲気も、落ち着いているというかしっとりしているというか、まぁとにかくカラッと軽い感じではないです。
作品全体としてのテーマも、家族だとか、魂の再生だとか結構重いですし。

まぁ、この辺のエンターテイメントでありながらも重いテーマ性があるというところが受けたのかもしれませんが。
でも直木賞って純粋にエンターテイメントとして面白いものに与えられるべきじゃない?と思うのは小生だけなんでしょうか。
芥川賞と対になっている意味はそうじゃないのかなぁ。

まっ、そんなことはいいです。

とにかくいろんな意味で三浦しをんらしい作品でした。
主人公がバツイチ独身男二人という時点でかなり三浦しをんテイストがむんむんしてますが。
そんな感じで、普通の読者には普通の読者なりの楽しみ方があり、コアな三浦しをんファンにはそれに加えて別の楽しみ方がある、そんな作品です。
小生は普通の読者ですが、コアなファンであればあるほどこの作品は受けるんじゃないかなと思います。
それが何を間違ったか直木賞を取ってしまうなんて。
うーん、不思議だ。
不思議だ不思議だ。
ラベル:読書
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2006年07月20日

1-3のセファリック(京都−甲府)

7月19日(水) 2006 J1リーグ戦 第13節

甲府 3 - 1 京都 (19:04/小瀬/8,025人)
得点者:'18 アンドレ(京都)、'49 オウンゴ−ル(甲府)、'68 石原克哉(甲府)、'72 バレー(甲府)

ん、と言うことで、W杯の中断期間を挟んで、Jリーグがやっと再開。

中断前は17位と不本意な成績で終わってしまったので、巻き返しを狙うサンガ。
中断期間中に3億ほどかけて補強をしたサンガ。
中断期間中の練習試合で勝ちまくったサンガ。

結構、というか、かなり期待してたのに・・・。
同じ昇格組の甲府にボコられてしまいました。

昨日はテレビ中継なかったし、帰ってくるのも遅かったので結果だけネットで見たのですが、まさかこんな感じでボコられてるとは・・・。
ディフェンスは改善したんじゃなかったのかよ!

はぁ、サンガに巣食う病巣は思いのほか深かった・・・。
こりゃあまたJ2というのがかなり現実味を帯びてきたかな。

はぁ、去年の最終戦で甲府をつぶしときゃあ良かった。
はぁ、出てくるのはため息ばかり。
ラベル:サッカー
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2006年07月18日

セファリックは夜と遊ぶ

4061824295子どもたちは夜と遊ぶ(上)
辻村 深月
講談社 2005-05-10




4061824309子どもたちは夜と遊ぶ(下)
辻村 深月
講談社 2005-05-10




内容(「BOOK」データベースより)
優しく触れようとしても壊してしまう、大人になりきれない子どもたちは、暗い恋の闇路へと迷い込んでしまった…。同じ大学に通う仲間、浅葱と狐塚、月子と恭司。彼らを取り巻く一方通行の片想いの歯車は、思わぬ連続殺人事件と絡まり、悲しくも残酷な方向へと狂い始める。掛け違えた恋のボタンと、絶望の淵に蹲る殺人鬼の影には、どんな結末が待っているのか。(以上上巻)
もう、一人の夜には帰りたくない―。残虐非道な事件に潜む、孤独な殺人鬼と彼を操る共犯者の存在。罪の意識に苛まれながらも、二人の間で繰り返される恐ろしい殺人という名の遊びは、一体いつまで続くのか!?そして傷つけずには愛せない、歪で悲しい恋の行方の結末とは…。辛い過去を孕んだ事件の真相は少しずつ解き明かされ、漆黒の闇を照らしていく。(以上下巻)


まず初めにはっきり言います。
小生はこの作品大嫌いです。
大嫌いな理由はいろいろありますが、それはまた追々書きましょう。

ただ、何事にも大嫌いとは言っても、すごいものだと認めざるをえないものもあります。
この作品もそうでした。
頭の中では、くそー、こんな作品小生は認めん!と思いながらもページをめくる手は止まらないみたいな。
まったくもって許せません。
やらなければいけないことを放っといて、上下巻を1日で読んでしまいました。
まったくもって自分も許せません。

まぁ、そんなことはいいのです。
結局何が言いたいのかと言うと、この作品は、大嫌いだと公言してはばからない小生でさえ評価するほどのすごい作品だと言う事です。

まぁ、何がすごいのかと聞かれるとちょっと困りますが。
敢えて挙げるなら、やはり心理描写なのでしょうか。

舞台は大学です。
物語の中心にいるのは狐塚と言う工学部の秀才学生なのですが、彼を中心に登場人物の糸が縦糸横糸からまり、まぁ事件が起きるわけですね。
とは言っても、物語の主人公というかトラブルメーカーは微妙に狐塚ではなく、彼はほんとに登場人物の中心に立ってるだけなんですよ。
で、彼を中心に登場する人物が皆よく描かれています。
物語において重要な役を果たす人から、それなりの役を果たすだけの人までいろいろいますが、その役の大小に関わらず、その人物の内面が良く描かれていて、またそれがうまく物語の進行に関わってくるのです。
その辺りの技術は本当にうまかったです。

あと、うまかったと言えば下巻の中盤からラストに至る前くらいまでのストーリーの展開もうまかったです。
そう来るかっ、ってな感じで、えげつないくらいうまかったです。

とまぁ、ほめるのはここくらいまでにして、あとは嫌いな理由を滔滔と述べましょう。

この嫌いな理由の部分には微妙に小さなネタバレが無きにしも非ずなので読みたくない人は読まないでおきましょう。
以下空白をしばらく空けておきます。
















まず、上記のえげつないくらいのうまさに大いに関係あるんですが、作中にでっかい叙述トリックがあるんですね。
小生、基本的に叙述トリックは許せます。
「GOTH」だとか「葉桜の季節に君を想うということ」とか叙述トリックがメインの話も好きです。
騙されるのは嫌いじゃありません。
ただ、今回の叙述トリックはいただけません。
もうこれは叙述トリックと言うよりウソです。詐欺です。
気づいたときはあまりの怒りと言うか悔しさに布団をバンバンはたいてしまいました。
まぁ、その怒りの半分は作品に、もう半分は気づけなかった自分に、ですけど。
途中何度か不審に思ったことがあったのですが、まさか叙述トリックが仕掛けられているとは露ほども思っていなかったので深く気に留めませんでした。
うーん、やっぱり小生もまだまだ甘いです。

あと嫌いな理由としては、謎の収拾の仕方です。
最後まで引っ張った謎のオチがうまくなかったですね。
これはミステリーとしては致命的です。
いろいろ引っ張って気を持たせたのに、それが明かされる頃にはその謎の重要性は薄れていて、結局あとづけの理由みたいなものしか語られない。
小生にはいただけいませんでした。
とは言え、一応伏線も張られてたし、悪くないレベルなのかもしれませんが。
何と言っても叙述トリックのインパクトが大きすぎましたね。

あと、ストーリーの中だるみ。
上巻の途中くらいで話が中だるみしちゃって読むスピードが遅くなってしまいました。
まぁ、中だるみはこの作者さんの特徴みたいですけど。
もうちょっとしまった話にすることも出来なくはないんじゃないのかなという気もします。

その他もろもろツッコミどころが多かったです。
ただ、何度も書いているように、それを補ってあまりあるすごさがこの作品にはありました。
読んでみて損はないとは思います。

ただ、読むときはミステリーとしては読まないほうがいいと小生は思います。
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2006年07月16日

へうげものなセファリック

4063724875へうげもの 1 (1)
山田 芳裕
講談社 2005-12-22




406372512Xへうげもの 2 (2)
山田 芳裕
講談社 2006-04-21



【出版社/著者からの内容紹介】
へうげ→ひょうげ【剽軽】ふざけおどけること。(広辞苑より)
群雄割拠、下剋上の戦国時代。
立身出世を目指しながら、茶の湯と物欲に魂を奪われた男がいた。
織田信長の家臣・古田左介(ふるたさすけ)。
天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千宗易(利休)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。
生か死か、武か数奇か。それが問題だ!!


珍しく漫画です。
小生が漫画を読むのは珍しくないのですが、ここで紹介するのは珍しいですね。

それくらいこの本は面白かった。
もう抜群です。
絶対読まないと損です。

主人公の古田左介は後の古田織部正重然。
そう、北村薫ファンならおなじみの「織部の霊」に出てくる織部ですよ。
まぁ、この部分はマニアックなので分からなくてもいいですが。

「織部の霊」も面白いですが、この「へうげもの」も抜群に面白いです。
どこがどう面白いとか言うのがはばかられるほどおもしろいです。
もう、これは読めとしか言いようがありません。
ぜぜぜぜぜひ読みましょう。

ちなみに「織部の霊」は「空飛ぶ馬」収録です。
4488413013空飛ぶ馬
北村 薫
東京創元社 1994-03



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2006年07月14日

失はれるセファリック

4044253064失はれる物語
乙一
角川書店 2006-06




内容(「BOOK」データベースより)
目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。


再読です。
初収録の「ボクの賢いパンツくん」と「ウソカノ」のために購入しました。

ちなみに、「マリアの指」以外の作品は角川スニーカー文庫でも出版されているので、言ってみればこの「失はれる物語」は乙一のベストアルバムみたいなものです。
ライトノベルっぽくてスニーカー文庫に手が出ない人のために、大人っぽい装丁で買いやすくしてみました的な意図で作られた作品です。
まぁ、微妙な意図ですが、乙一の裾野が広がるのはいいことだと思うので良しとしましょう。

買って損はないと断言していいほど、収録作品のクオリティは高いと思います。
特に小生が好きなのは「しあわせは子猫のかたち」と「手を握る泥棒の物語」ですね。
「しあわせは子猫のかたち」は同じく収録されている「Calling You」と並んで『切なさの達人』としての乙一の極致ともいえる作品だと思います。
間違ってグロい系の乙一を読んでしまってトラウマになった人はぜひ読んでみましょう。

「手を握る泥棒の物語」は主人公のドジっぷりと読後感がいいです。
これまたどんでん返しが乙一らしいナイスな作品です。

今回初収録の「僕の賢いパンツ君」と「ウソカノ」はどちらも乙一らしいとしか言いようのない話ですね。
前者はちょっとバカらしく、後者はちょっとイタい話ですが、ラストはちょっと切なさを誘います。

乙一の奇才には触れてみたいけど、グロいのはちょっと・・・という人にオススメです。
最後にもう1回。
買って損はないと小生は断言しましょう。
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2006年07月13日

直木賞だよセファリック

また伊坂幸太郎が・・・。
はぁ、これで何回目でしょうかね。
5回目くらいでしょうか。

と言うわけで、直木賞が発表されました。
受賞作は三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』と森絵都『風に舞いあがるビニールシート』
森絵都さんは読んだことがないので何ともいえませんが、三浦しをんさんは好きな作家さんなのでまぁ喜びましょう。
ただ、どちらとも文藝春秋から刊行されている作品なのが何とも言えないところですね。
いろいろなものが透けて見えるような見えないような。

伊坂幸太郎はやっぱり見送られましたね。
まぁ、砂漠で受賞というのもちょっと微妙な感じがするのでいいとは思いますが。

あと、微妙に注目していたのが古処誠二。
一部では前評判も高く、メフィスト小作家から直木賞が出るかなと思いましたが、残念でしたね。

それにしても三浦しをんが直木賞とは。
まだ二十代だったような。
若いですねぇ。
posted by Aorta at 23:09| Comment(0) | TrackBack(4) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月12日

重力ピエロなセファリック

4101250235重力ピエロ
伊坂 幸太郎
新潮社 2006-06




内容(「BOOK」データベースより)
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。


小生が伊坂幸太郎を初めて読んだのはこの作品でした。
文庫化されたので再読。

これを初めて読んだときは衝撃を受けました。
なんてすごい小説なのかと。
それから伊坂幸太郎の作品を読み漁って、今の伊坂幸太郎大好きな小生がいるわけです。

そんな記念碑的な作品。
再読してもやっぱり面白かった。

ストーリーとして面白いのはもちろん、登場人物のキャラクター、その人の持つ価値観、その他小道具、すべてが小生の琴線をマルチヒットします。

やっぱり一番グッと来るのはお父さんのキャラクターですね。
癌に侵されながらも、強くやさしく兄弟を見守ります。
うん、こんなお父さんが欲しい。
もしくはこんなお父さんになりたい。

あと、「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」という伊坂幸太郎らしい言葉も胸に残ります。
こういうちょっとひねりの利いた言葉が出てくる人はすごいですね。
尊敬しています。

ただ、初めて読んだときの印象では、もうちょっと謎解きとか伏線に伊坂幸太郎らしいやられた感があったような気がしたのですが、再読してみるとそれほどアクロバティックなことはされてなかったですね。
結構おとなしめでした。
だからと言って作品の魅力が薄くなるわけではないんですけど、ちょっと意外でした。

そういえば、明日は直木賞の発表です。
候補作のうち、伊坂幸太郎の『砂漠』しか読んでいないので予想なんかは出来ないのですが、そろそろ伊坂幸太郎にとって欲しいですね。
ただ、今回もなんとなく見送られそうな気がしますけど・・・。
posted by Aorta at 22:55| Comment(0) | TrackBack(5) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月10日

1-1(PK5-3)のセファリック(イタリア−フランス)

2006年ドイツW杯を締めくくる64試合目。
優勝を決める決勝戦。
さぞかし好ゲームになるかと思いきや・・・。

うん、まぁ好ゲームだったんですけどね。
ちょっと、というかかなり後味悪かったですね。
ジダンが退場。
延長後半にマテラッツィに頭突きをぶちかまして一発退場。
そしてチームは結局PKで敗戦。

ジダンに何があったのでしょう?
現役最後の試合で頭突きで一発退場って。
よっぽどのことがないとそんなことしないでしょう。
キレキレのパフォーマンスを発揮していただけに、ジダンが退場しなければ・・・、とどうしても考えてしまいます。
やっぱりなんか後味が悪いです。

ジダンに限らず、フランスはかなりのパフォーマンスを発揮していました。
前半はイタリアに押されるものの、後半以降はイタリアにまったく攻めるスキを与えずに試合を完全に支配。
中盤でイタリアの選手をつぶしてボールを奪い、ジダンがうまく散らす。
ただ、ラストの精度はイマイチでイタリアの鉄壁を崩せません。

対するイタリアは、前半はセットプレーからチャンスを決定機を何度も作るも、結局同点ゴールしか奪えず、後半以降は防戦一方。
ディフェンスラインとガットゥーゾで何とかしのぎます。
いやー、やっぱガットゥーゾはカッコええわぁ。
今日は十分堪能させてもらいました。
それにしても、イタリアの最終ラインの鉄壁ぶりはほんとにすごいですね。
今日はPKで1失点はあったものの、あれも微妙な判定だと思います。
VTRを見てみたらほとんど触ってなくて、むしろシュミレーションじゃないの?という感じでしたし。
ブッフォンもすごかったです。
ジダンのヘッドを止めたシーンは鳥肌モノ。

とまぁ、個々のプレーを見てたらいい試合だったんですけどね。
やっぱりジダンの退場は後味悪すぎ。
後味悪すぎて現役引退の撤回とかしませんかね。
次のユーロまでは代表もやってやるよ、みたいな。
まっ、そんなことはないでしょけどね。

優勝したイタリアは本当におめでとうございます。
大会前からいろいろあって、とてもじゃないけど優勝候補にはあげられないなと思っていたら優勝しちゃいました。
逆境で逆にチームがまとまったのでしょうか。
この優勝でセリエAの八百長疑惑もなんとなくうやむやに終わっちゃうのかもしれませんね。
侍カモラネージも断髪しましたし、これぐらいで許してあげましょう。


はぁ〜、長かったW杯も終わっちゃいましたね。
いいものいっぱい見せてもらえて楽しかったです。
これでサッカーざんまいの日々ともお別れです。
寝不足ともおさらばです。
その他にも諸々おさらばしてしまいたいこともありますが、それはどうやらおさらばしてくれなさそうです。
とりあえず今日はテストです。
あさってもテストです。
あさってのあさってもテストです。
やっぱり現実は甘さ控えめでした。
posted by Aorta at 06:11| Comment(2) | TrackBack(4) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

3-1のセファリック(ドイツ−ポルトガル)

終わってみれば3-1。
これほど結果に差が出る内容ではなかったと思うんですけどね。
むしろ作った決定機の数ではポルトガルの方が多かったような。
ポゼッションでも圧倒的にポルトガルが有利でしたし。

結局どこに差があったかというとやっぱり決定力の話に行き着くのでしょうか。
ドイツが先制する前に何回かあった決定機で、ポルトガルが得点できていれば大きく流れは変わっていたでしょうね。
今回はポルトガルの決定力のなさを責めるよりはドイツのカーンの好セーブを褒めるべきでしょうけど。
ほんとにナイスセーブでした。
超絶ミドルを2本決めたシュヴァインシュタイガーと並んでMOMです。

それにしてもドイツはここまでよくがんばりましたね。
はっきり言って、世界最高レベルのタレントはいないし、特に特徴があるチームではないのに、3位です。
クリンスマン監督の手腕とチームとしてのまとまりがよかったのでしょうか。
試合を重ねるごとにどんどんいいチームになっていました。
今日も主将のバラックが欠場、ディフェンスラインは総入れ替え。
これでも勝てちゃうんですから。
ほんとにいいチームでした。

一方ポルトガルは・・・。
うん、ベスト4っていうのはよくがんばった方じゃないでしょうか。
せいぜいがベスト8だと思っていましたから。
大会を通じてマニシェがよかったですけど、デコはイマイチだったかな。
クリスティアーノ・ロナウドは、いい技術を持ちながらそれが肝心のときに活きていなかったような。
やっぱりまだ若いということでしょうか。
今後に期待しましょう。

と言うことで、3位4位は決定しました。
後は優勝準優勝のみ。
楽しみです。
やっぱりイタリアかなぁ〜。
posted by Aorta at 11:24| Comment(0) | TrackBack(8) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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